オピニオンコラムcolumn
春は体調管理が難しい季節?!
寒暖差や環境変化がストレスに
風邪、インフルエンザなど、感染症への対策はできていますか?冬は特に注意が必要ですが、春になったからもう安心というものでもありません。明るく清々しい印象の春ですが、実は体調管理が難しい季節です。「三寒四温」というようにほっこりと暖かくなったかと思ったら、急に冷え込む日もあります。また、学校や職場などで環境の変化も多いときです。こういった寒暖差や新生活のストレスで、自律神経のバランスが乱れやすいのです。なんとなくだるい、肌が荒れがち、風邪をひいた——ということにならないように、免疫力を高めて、元気に春を楽しみましょう。
エクストラバージンオリーブオイルなら、
免疫力アップが期待できる
体調管理のために、毎日口にする食材の質を選ぶことが大切です。肥満の素のように思われがちな脂質も糖質も私たちの身体に不可欠な栄養素なので、摂らないのでなく、良いものを継続して摂取していきましょう。
脂質なら、エクストラバージンオリーブオイルがおススメです。微生物や細菌、ウイルスなどの異物を排除する免疫力を、オリーブオイルが強化すると期待されます。これにはオリーブオイルの抗酸化作用の働きも関与しています。オリーブの実を丸ごと絞ったエクストラバージンオリーブオイルには、ポリフェノール類やビタミンEに代表される多種多様の抗酸化物質が豊富に含まれており、身体のいろいろな部位で力を発揮して酸化を防ぐことがわかっています。
また、オリーブオイルは風味豊かで野菜をおいしくしてくれるため、オリーブオイルの摂取はたくさんの野菜を食べることにつながります。その結果、腸内細菌のエサになる食物繊維をたっぷり摂ることになって、免疫機能の7割を担う腸内の環境が良くなります。つまり、オリーブオイルと野菜の組み合わせで、免疫力アップが一層期待できるというわけです。
酸化されにくいオリーブオイルは、
毎日の調理に最適
オリーブオイルには、免疫力向上の他にも、美容や糖尿病予防など多くの健康効果が確認されており、オリーブオイルをふんだんに使う「地中海食」を食べている人たちには、心疾患や肥満、糖尿病などの生活習慣病やアルツハイマー病などのリスクが低いことも報告されています。オリーブオイルのおよそ75%を占めるのがオメガ9に属するオレイン酸で、熱に強く酸化されにくいので調理に最適です。
しかし、現代人は菜種油や大豆油など種子油に多く含まれるリノール酸(オメガ6)摂取過多の傾向があります。リノール酸は酸化されやすく、又、摂り過ぎるとアレルギー症状の悪化やがんリスクを高めるという報告があるので、摂取は控えめにしたいものです。また、亜麻仁油などのオメガ3を摂ると良いとも言われますが、こちらも加熱するとすぐに酸化されるので調理には向きません。
世界一の長寿食「地中海和食」で、
おいしく食べながら元気いっぱいに!
日本が誇る健康的な食事「和食」に、地中海食のようにオリーブオイルを取り入れましょう。脂質が少なめの和食にオリーブオイルが加われば、脂溶性のビタミン(A、D、E、K)も吸収しやすくなります。和食と地中海食の良さが1つになった「地中海和食」は、味も健康効果も世界一だと思います。
地中海和食を毎日の暮らしに取り入れるなら、まずオリーブオイルご飯から始めてみてはいかがでしょうか。温かいご飯にオリーブオイルを軽く混ぜ、醤油を2-3滴たらすと、風味も増しておいしくいただけます。玄米ご飯にするなら、オリーブオイルを少し多めにかけるとパサパサ感がなくなって、しっとりした食感になります。
地中海型食事のピラミッド
(Oldways Preservation & Exchage Trust,2000年)
地中海食のパターンを食品別に分類したもので、
ピラミッドの下から上に上がるにつれて、摂る頻度が減る
オリーブオイルご飯と
オリーブオイル丼4種のレシピ
オリーブオイルご飯
材 料(1人分)
- 温かいご飯(玄米)茶碗1杯
- エクストラバージンオリーブオイル小さじ1-2程度
作り方
- 温かいご飯にオリーブオイルを回しかけ、全体が黄色みを帯びるまで軽く混ぜる。
ポイント
- 肥満予防につながる低GI食品の玄米も、オリーブオイルをかけてよりおいしく!
- エクストラバージンオリーブオイルは、香り・辛味が強すぎないミディアム(中ぐらい)の爽やかなものがお勧めです。
生ハムときゅうりのオリーブオイル丼
材 料(1人分)
- オリーブオイルご飯茶碗1杯
- 生ハム(一口大に切る)大1/3枚
- きゅうり(5㎜角切り) 約5㎝分
- 大葉(千切り) 1/4枚
作り方
- オリーブオイルご飯を器に盛り、表面を平らにする。
- 生ハム、きゅうりを色よく一面に散らし、中央に大葉を飾る。
- 生ハムには塩分と濃いうま味があるので、少量でも満足感がある。
ポイント
トマトのオリーブオイル丼
材 料(1人分)
- オリーブオイルご飯茶碗1杯
- 塩適量
- パクチー(軸はみじん切り、葉はちぎる)適量
- A
- トマト(粗みじん切り)中1/2個
- 玉ねぎ(みじん切り)小さじ1強
- ハラペーニョ(粗みじん切り)少々
作り方
- Aをボウルに入れて、やや強めに塩をして混ぜる。
- オリーブオイルご飯を器に盛り、表面を平らにする。
- ご飯に1.をのせ、パクチーをのせる。
- ご飯はオリーブオイルでコーティングされるため、トマトなどの具材がのっても水っぽくなりにくい。
- トマトから水分が多めに出ていれば、Aの汁は控えめにかけ、食べるときに好みで足しても良い。
ポイント
シラスのオリーブオイル丼
材 料(1人分)
- オリーブオイルご飯茶碗1杯
- 釜揚げシラス好みの分量
- レモン汁少々
- エクストラバージンオリーブオイル少々
- ケイパー6粒
- レモンの皮少々
作り方
- オリーブオイルご飯を器に盛り、表面を平らにする。
- ご飯の上にシラスを広げ、レモン汁、オリーブオイルの順にかけ、ケイパーを散らす。
- レモンの皮をおろしながらふりかける。
- 乾燥シラスを使うときは、レモン汁とオリーブオイルを合わせて、シラスになじませてからご飯の上にのせるとよい。
ポイント
辛子明太子とモロヘイヤのオリーブオイル丼
材 料(1人分)
- オリーブオイルご飯茶碗1杯
- 辛子明太子(ほぐしておく)30g(1/3-1/2腹)
- エクストラバージンオリーブオイル大さじ1と1/2
- モロヘイヤ2-3本
作り方
- 辛子明太子は、オリーブオイルで溶いておく。
- モロヘイヤは葉と茎を切り分けて、湯を沸かし、茎を先に入れて、2分ほどしたら、葉を加えて茹でる。さっと水につけたらざるに上げ、水気を十分に切ってから包丁でよくたたく。
- オリーブオイルご飯を器に盛り、表面を平らにする。
- ご飯の上に辛子明太子を広げ、中央に2.をのせる。
- 辛子明太子はなるべく着色料のないものを選ぶ。
- モロヘイヤは茎の歯ごたえが少し残るようにたたく。
ポイント
レシピ出典『おいしい処方箋 オリーブオイル・レシピ』
北村光世・
監修 横山淳一(オリーヴァ内科クリニック院長)
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横山 淳一 先生オリーヴァ内科クリニック 院長
医学博士。1973年千葉大学医学部卒。東京慈恵医科大学内科学教授を経て、現職。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医。著書に「炭水化物を食べながらやせられる!地中海式世界最強の健康ダイエット」など多数。