オピニオンコラムcolumn
「ヒトは血管とともに老いる」という名言のとおり、加齢とともに私たちの血管は老化し、しなやかさを失ってもろくなっていきます。血管の老化、すなわち動脈硬化は生活習慣病や喫煙などが引き金となって生じる「血管壁の炎症」によって実年齢を超えて進行します。血管を若く保つためには、まず原因となる悪しき生活習慣を正すことが先決ですが、特に食生活においては油の摂り方に注意することがポイントとなるのです。
実は、「炎症」の生じやすさは、摂取する脂肪酸の種類によって異なることがわかっています。魚に多く含まれるEPAやDHAには炎症を抑える働きがあり、これらの脂肪酸を積極的に摂ることで血管の老化予防に役立ちます。しかし、熱に弱く酸化しやすいなどの欠点があり加熱調理には向きません。そこでオススメしたいのが、酸化しにくく熱に強いエクストラバージンオリーブオイルなのです。この油に含まれるポリフェノールは炎症を防ぎ、また、オレイン酸は炎症に悪影響することなく善玉コレステロールのHDLを維持しつつ、血中の悪玉コレステロールであるLDLを減らし、動脈硬化を防ぐことが期待されています。毎日の食事に、魚料理とエクストラバージンオリーブオイルを取り入れて血管を健やかに保ち、健康長寿をのばしましょう!
-
池谷 敏郎 先生医療法人社団 池谷医院 院長/
東京医科大学客員講師総合内科専門医、循環器専門医。1988年、東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。 1997年、池谷医院理事長兼院長に就任。心臓、血管、血液のエキスパート。著書に、「血管がぐんぐん若返る!! 豆乳オリーブオイル」など多数。